こんにちは！
アンチエイジングアドバイザーのKatsu(@adviserkatsu)です。
今日は、数あるビタミンの中でも、おそらく最も知名度が高く、誰もが一度はお世話になったことがあるであろう、ビタミンの王様「ビタミンC」についてお話ししたいと思います。 「ビタミンC」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんなことでしょう？ おそらく、「レモン」「美肌」「風邪の予防」といった、明るく健康的なキーワードではないでしょうか。
そのイメージは、もちろん大正解です。 しかし、もしそれらが、ビタミンCが持つ多彩な能力の、ほんの序章に過ぎないとしたら…？ 私たちが「美肌ビタミン」として親しんでいるこの栄養素が、実は私たちの体の構造を支え、老化と戦い、さらには日々のストレスと戦うための、最強のオールラウンダーだとしたら、どうでしょう。
今回は、そんなビタミンCの知られざる本当の姿と、私たち40代以上の世代が、なぜ毎日意識して摂るべきなのか、その深い理由に迫ります。
ビタミンCの歴史は「大航海時代の悲劇」から始まった
ビタミンCの重要性を語る上で、少しだけ歴史の話をさせてください。 大航海時代、長い船旅に出た船乗りたちを苦しめた「壊血病（かいけつびょう）」という恐ろしい病気がありました。 歯茎から出血し、肌はボロボロになり、やがては命を落とすこの病気の原因こそが、新鮮な野菜や果物の不足による、ビタミンC欠乏だったのです。
ビタミンCの正式名称である「アスコルビン酸」は、「壊血病（scorbutic）に抗う（anti）酸（acid）」という意味に由来します。 つまり、ビタミンCは、単なる美容成分ではなく、その発見が多くの命を救った、生命維持に不可欠な栄養素なのです。
ビタミンCがこなす、驚くべき6つの重要な仕事
では、このビタミンCは、私たちの体の中で具体的にどのような素晴らしい仕事をしてくれているのでしょうか。
仕事1：美肌の土台、「コラーゲン」を合成するマスター建築家 これが、ビタミンCが「美肌ビタミン」と呼ばれる最大の理由です。 私たちの肌のハリや弾力を支えているのは、「コラーゲン」というタンパク質です。このコラーゲンは、人体のタンパク質の約3分の1を占める、まさに体の「骨組み」や「足場」となる重要な構造材です。
ものすごくざっくりいうと、ビタミンCは、この**コラーゲンという足場を、アミノ酸という材料から正確に組み立てるために、絶対に欠かせない「熟練の建築家」**なのです。 どんなに良質な材料があっても、この建築家がいなければ、丈夫な足場は作れません。 ビタミンCが不足すると、コラーゲンの合成がうまくいかず、肌のハリが失われるだけでなく、血管や骨、歯茎といった、体のあらゆる結合組織が弱くなってしまいます。歯茎からの出血は、まさに体内の建築がうまくいっていないサインなのです。
仕事2：シミを防ぐ「メラニン生成の抑制」 日焼けをすると、皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素が作られます。これがシミの原因ですね。 ビタミンCは、この酸化プロセスを抑制し、メラニン色素の生成を抑えることで、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ手助けをしてくれます。
仕事3：体のサビと戦う「最前線のボディーガード」 ビタミンCは、非常に強力な抗酸化作用を持つことでも知られています。 体内で増えすぎた活性酸素が、細胞や脂質をサビつかせる（酸化させる）のを防ぎ、老化や生活習慣病から体を守ってくれます。 特に、血液中のLDL（悪玉）コレステロールが酸化されるのを防ぐ働きは、動脈硬化の予防にも役立つと期待されています。
仕事4：ストレスと戦う「心強いパートナー」 ここからは、資料には書かれていない、しかし非常に重要なビタミンCの働きです。 私たちがストレスを感じると、体はそれに対抗するために、副腎という臓器から「抗ストレスホルモン」を分泌します。 実は、この副腎には、体内で最も高濃度のビタミンCが蓄えられているのです。 そして、ストレスがかかると、副腎のビタミンCは猛烈な勢いで消費されていきます。 つまり、ストレスの多い現代社会を生きる私たちにとって、ビタミンCは、精神的な健康を保つ上でも欠かせないパートナーなのです。
仕事5：免疫システムを支える「軍隊の補給係」 「風邪のひきはじめにはビタミンC」と言われるのにも、科学的な理由があります。 ビタミンCは、白血球といった免疫細胞の働きを活性化させ、その機能をサポートすることが分かっています。 体内にウイルスなどの敵が侵入してきたときに、免疫という軍隊がしっかりと戦えるように、弾薬や食料を供給する「補給係」のような役割を担っているのです。
仕事6：鉄分の吸収を助ける「名アシスタント」 特に女性に多い貧血の予防にも、ビタミンCは素晴らしい働きをします。 ほうれん草などに含まれる植物性の鉄分（非ヘム鉄）は、実は体に吸収されにくいという弱点があります。 しかし、ビタミンCと一緒に摂ることで、その吸収率が劇的にアップするのです。 ほうれん草のおひたしにレモン汁を少し加えるのは、味だけでなく、栄養学的にも最高の組み合わせなんですね。
この万能ビタミンと、どう付き合う？
さて、これほどまでに八面六臂の活躍をするビタミンCですが、実は非常にデリケートな性質を持っています。
どこに入っている？ ビタミンCは、野菜や果物、いも類に豊富に含まれています。 特に、赤ピーマンや芽キャベツ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどは、トップクラスの含有量を誇ります。
賢い食べ方のコツ：繊細なアーティストを扱うように ビタミンCは、水に溶けやすく、熱、光、空気（酸素）によって非常に壊れやすい、とても繊細な栄養素です。 野菜を長時間水にさらしたり、クタクタになるまで茹でたりすると、その多くが失われてしまいます。 **「新鮮なうちに、なるべく手早く、生で食べるか、短時間で調理する」**のが、ビタミンCを効率よく摂るための鉄則です。 炒め物や、煮汁ごと飲めるスープなども、損失を少なくする賢い調理法です。
また、ストレスや喫煙、アルコールの摂取によって、体内のビタミンCは大量に消費されてしまうため、これらに心当たりのある方は、特に意識して補給することが大切です。
というわけで
今回は、ビタミンCの知られざる本当の力について、詳しくお話ししました。 彼が、単なる「美肌ビタミン」ではなく、コラーゲンを作る建築家であり、体のサビと戦うボディーガードであり、さらには私たちの心や免疫力まで支えてくれる、まさに「究極のオールラウンダー」だということが、お分かりいただけたでしょうか。
嬉しいことに、ビタミンCは水溶性のため、通常の食事で摂りすぎる心配はほとんどありません。 （サプリメントなどで一度に数グラム単位で摂取すると、一時的にお腹がゆるくなることがあります）
私たちの体では作ることができない、この重要なビタミン。 ぜひ、毎日の食事に、色とりどりの新鮮な野菜や果物を意識して取り入れてみてください。 その一口一口が、あなたの体を内側から守り、若々しく輝かせてくれる、最高の投資になるはずです。
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