40代からの「サンマ」完全ガイド。秋の味覚の王様が秘める、驚異のアンチエイジング効果

こんにちは！

アンチエイジングアドバイザーのKatsu(@adviserkatsu)です。

七輪の上で、パチパチと音を立てながら焼かれていく、銀色に輝く細長い魚体。 立ち上る香ばしい煙と、じゅわっと皮から滲み出す豊かな脂…。 日本の秋の訪れを、これほどまでに五感に訴えかけてくる食材が、他にあるでしょうか。 今回、私たちがその魅力に迫るのは、まさに「秋の味覚の王様」、**サンマ（秋刀魚）**です。

「秋になったら、一度はサンマの塩焼きを食べないと始まらない」 そう感じる日本人は、きっと少なくないはずです。 しかし、そのノスタルジックなイメージの裏に、特に、心と体の変化を感じやすくなる私たち40代以降の健康を、根幹から支えてくれる、驚異的な栄養パワーが秘められていることは、意外と知られていないかもしれません。

今回は、そんなサンマの奥深い世界を、4つのテーマに沿って、徹底的に掘り下げていきたいと思います。 この記事を読み終える頃には、あなたもきっと、ただ美味しいだけではない、サンマの持つ、計り知れない価値に、改めて気づかされるはずです。

秋を告げる銀色の刀、サンマの物語

まず、この魚が、どのような一生を送り、私たちの食卓にやってくるのか、その壮大な物語から見ていきましょう。

・「秋刀魚」という名前に隠された秘密 サンマという魚の個性を、最も雄弁に物語っているのが、その漢字表記「秋刀魚」です。 ・秋 サンマの漁が最盛期を迎え、最も脂がのって美味しくなるのが「秋」であることから。 ・刀 その姿が、細長く、銀色にキラキラと輝く「刀」のようであることから。 ・魚 そして、魚であること。 まさに、サンマという魚の本質を、三文字で見事に表現した、美しい名前ですよね。

・サンマの一生と、なぜ「秋」が旬なのか サンマは、日本近海を大規模に回遊する魚です。 日本の南の暖かい海で生まれたサンマの稚魚は、春から夏にかけて、豊富なエサ（プランクトン）を求めて、黒潮に乗り、太平洋を北上していきます。 そして、栄養豊富な親潮とぶつかる、北海道や三陸沖の冷たい海で、夏の間、たっぷりとエサを食べて、丸々と太るのです。 そして、秋。産卵のために、今度は親潮に乗り、再び日本の南の海を目指して、南下を始めます。 私たちが「旬のサンマ」として食べているのは、この南下してくる、一生のうちで最も脂がのった状態のサンマなのです。 北の海で蓄えた、豊富な栄養と、厳しい海を乗り切るためのエネルギーが、その小さな体に、ぎっしりと詰まっています。

・近年の不漁問題について かつては「大衆魚」の代表格であったサンマですが、近年、記録的な不漁が続き、価格が高騰しているというニュースを、よく耳にします。 その原因は、一つではなく、地球規模の気候変動による海水温の上昇で、サンマの回遊ルートが変わってしまったことや、各国の漁獲量の増加など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられています。 私たちにとって、あまりにも身近だった秋の恵みが、少しずつ、貴重な存在になりつつある。それが、現代のサンマを取り巻く、少し寂しい現実なのです。

銀色の皮に包まれた栄養爆弾！サンマの驚くべき力

旬のサンマの身は、まるで「栄養の爆弾」です。 特に、脳と血管の健康を守る、究極のアンチエイジング栄養素が、他の魚を圧倒するほどの高濃度で含まれています。

・EPAとDHA：青魚界の頂点に立つ圧倒的な含有量 サンマの栄養を語る上で、絶対に外すことのできない主役が、その豊かな脂質に含まれる不飽和脂肪酸、EPAとDHAです。 その含有量は、まさに驚異的。100gあたり、なんとEPAが1500mg、DHAが2200mg。 これは、同じ青魚であるサバ（EPA 690mg, DHA 970mg）やイワシ（EPA 780mg, DHA 870mg）と比較しても、2倍以上の数値を誇ります。サンマは、EPA・DHAの王様なのです。 ・EPAは「血管のスーパーヒーロー」 血栓をできにくくし、血液をサラサラに保ちます。また、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、血圧の上昇を抑える働きもあると言われ、動脈硬化や心筋梗塞といった、命に関わる血管系の疾患を予防する、最強の味方です。 ・DHAは「脳の必須栄養素」 脳の機能に重要な役割を果たします。脳の神経細胞を活性化させ、記憶力や判断力の維持に不可欠です。40代以降に気になる、認知機能の低下を予防するためにも、積極的に摂取したい栄養素です。

・ビタミンA・B・D・E：脇を固める、ビタミン軍団 サンマには、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D、E、そして水溶性のビタミンB群が、バランス良く含まれています。 ・ビタミンA 皮膚や粘膜を健康に保ち、目の疲れや口内炎の改善にも働きます。 ・ビタミンD カルシウムの吸収を助け、骨の健康を維持します。骨粗しょう症が気になる40代以降の女性には、特に重要なビタミンです。 ・ビタミンE 強力な抗酸化作用を持ち、体のサビつきを防ぐ「若返りのビタミン」。酸化しやすいEPAやDHAを、体内で守ってくれる働きもあります。 ・ビタミンB12 正常な赤血球の生成に不可欠で、貧血の予防効果が期待できます。

・良質なたんぱく質と鉄分 もちろん、筋肉や皮膚の材料となる、良質なたんぱく質（約18.1g）も豊富。 そして、赤黒い「血合い」の部分には、貧血予防に役立つ鉄分も多く含まれています。

塩焼きだけじゃない！秋の恵みを丸ごと味わい尽くす食べ方

サンマの美味しさと栄養を、最大限に引き出すための、食べ方のヒントをご紹介します。

・最高の食べ方「塩焼き」と、名脇役「大根おろし」 サンマの食べ方と聞いて、日本人の誰もが思い浮かべるのが、やはり「塩焼き」でしょう。 丸ごと一匹に塩を振り、炭火やグリルでじっくりと焼き上げる。皮はパリッと香ばしく、身はふっくらとジューシー。滴り落ちる脂が、煙と共に、秋の香りを運びます。 そして、その最高の主役の隣に、絶対に欠かせないのが、名脇役である「大根おろし」です。 大根に含まれる消化酵素「アミラーゼ」が、サンマの豊かな脂肪の消化を助けてくれます。 また、大根おろしのビタミンCが、鉄分の吸収を助けたり、爽やかな辛味が、脂ののったサンマの味を、さっぱりと引き締めたりと、味覚の面でも、栄養の面でも、まさに完璧な組み合わせなのです。 すだちなどの柑橘類を搾るのも、ビタミンCを補い、風味を豊かにする、素晴らしい食べ方です。

・栄養を逃さない「煮魚」という選択 サンマの栄養分を残さず丸ごといただくには、薄味のしょうゆで煮たり、梅干しと一緒に煮たりするのもおすすめです。 特に、梅干しのクエン酸と煮込む「梅煮」は、梅の酸味がサンマの骨を柔らかくし、骨に含まれるカルシウムまで、食べやすくしてくれます。

・その他の料理法 ・蒲焼き 開いたサンマを、甘辛いタレで香ばしく焼き上げる「蒲焼き」は、ご飯との相性が抜群。うなぎにも負けない美味しさです。 ・炊き込みご飯 塩焼きにしたサンマの身をほぐし、炊きたてのご飯に混ぜ込む「炊き込みご飯」。サンマの旨味が、一粒一粒のお米に染み渡ります。 ・刺身 旬の時期、そして、極めて鮮度が良いものでなければ味わうことができない、究極の食べ方が「刺身」です。とろけるような脂の甘みは、まさに絶品です。ただし、後述するアニサキスのリスクがあるため、信頼できるお店でいただくのが良いでしょう。

サンマに胃がないのは本当？知られざるサンマの雑学

最後に、知っていると、サンマとの付き合いがもっと楽しくなる、豆知識をいくつかご紹介します。

・新鮮なサンマの見分け方「口の先を見よ！」 スーパーで、最高のサンマを選ぶための、プロが使う目利きのコツ。それは**「口の先端を見ること」**です。 新鮮で、脂がのって美味しいサンマは、口の先端が、ほんのりと黄色くなっています。 これは、良質なエサをたっぷり食べてきた証拠だと言われています。 その他、お腹が硬く締まっていること、目が黒く澄んでいることなども、新鮮さのバロメーターです。

・サンマには「胃」がない 実は、サンマには、他の多くの魚と違って、はっきりとした「胃」がありません。 食道から腸までが、ほぼ一直線につながっている、非常に短い消化管を持っています。 これは、サンマが、常にエサを食べながら泳ぎ続ける、という生態と関係があると言われています。 そのため、内臓（わた）に、消化途中の内容物が少なく、独特のほろ苦い風味があります。 新鮮なサンマの塩焼きで、「わた」まで美味しく食べられるのは、このためです。食通にこそ好まれる、大人の味わいですね。

・「目黒のさんま」 東京の目黒区では、毎年秋に「目黒のさんま祭り」が開催され、何千匹ものサンマが、炭火で焼かれて、無料で振る舞われます。 これは、殿様が、目黒で食べたサンマの塩焼きの味が忘れられなくなる、という有名な落語の噺「目黒のさんま」にちなんだものです。 サンマが、いかに江戸の昔から、庶民に愛されてきたかが分かる、素敵なイベントです。

というわけで

今回は、日本の秋の風物詩「サンマ」について、その驚異的な栄養価と、健康効果、そして、その魅力を最大限に引き出すための、奥深い世界を探求しました。 その銀色に輝く刀のような体には、私たちの脳と血管を、老化という必然から守ってくれる、EPA・DHAという、最強の武器が秘められています。 ぜひ、旬の時期には、煙を気にせず、食卓でサンマを焼いてみてください。 立ち上るその香ばしい香りと共に、日本の美しい秋の訪れを、そして、サンマがもたらす、計り知れない自然の恵みを、心ゆくまで満喫してみてはいかがでしょうか。

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